チョイ悪中年ライダーズ 時を越えて~大学編 Vol.3
「チョイ悪中年ライダーズ
時を越えて~大学編 Vol.3」
(―― バ・イ・ト ――)
①仕送り ¥50,000-
②家賃 ▲¥20,000-
③光熱費 ▲¥6,320-
④先日の軟派に掛かった費用 ▲¥7,450-
(注:ディスコ代を4人分払った)
⑤昨日“おっちゃん”と買い出し行った▲¥4,240-
⑥病院の診察代・薬代 ▲¥6,320-
⑥“とこま”に借金を返した・・ ▲¥5,000-
残高 ¥670-
大学4年の初冬――
仕送り後10日足らずで小銭しか残っていなかった・・
「今月はキツイなーー」
「やっぱり・・先日の軟派と病院代が効いているな」
机の上に小銭を並べ・・ため息をついた・・
「そういえば今夜は“50円寿司”の食べ放題に
皆で行くのだったな」
「また“とこま”に借りよぉーーと!」
机の上の小銭をつかんで・・バイクで出かけた・・
「えーー!ひとり千5百円もするの・・」
「はい!先払いでお願いします!」
“50円寿司”のカウンターに座って・・
「おめーー!金持ってねーのか!」
例によって“坂元”が悪態をついた
「“とこま”貸してくれよーー!」
「ええーーまた・・返してもらったばっかりなのに・・」
「ちょっと経費がかさんで・・」
「しょーがねーなーー!」
“とこま”が2人分支払った
「サンキュー!」
「さーーー!食べるぞ!」
「大将!何食べてもいいんだっけ!」
「マグロ・はまち・サーモン・さば・玉子
なら何でもいいですよ!」
「“いくら”は駄目かい!」
“おちん”が残念そうに言った
「別料金ならいいですが・・」
「別料金か・・」
「なお・・優勝者には豪華商品を差し上げますよ!」
「とりあえず・・その5種類5貫ずつ♪」
“おっちゃん”が張り切って叫んだ!
「えっと・・それで・・25個で2人半分か」
「へい!お待ち!」
しかし出てきたのは・・長いおにぎりみたいなものに
大きなネタが乗っていた・・
「これで5貫分です!」
「ちょっと・・情緒がないなーー」
と“とこま”が首を傾げて言った
「俺は1貫ずつお願いします!」
「へい!分かりました!」
「なんでぇ!“とこま”えらそーーに」
「いいじゃないか!どちらでもいいなら!!」
「まあまあ・・せっかくの寿司がまずくなるぜ」
“おちん”が中に入った・・
皆は次から次へと平らげる
「もう・・おら駄目だ!」
小柄な“坂元”は少食で45個だった
“おちん”は上背があるが・・
「もう・・この辺で止めとこっと!」
50個だった
“とこま”も小柄だが意外と善戦した・・
「ふーー!58個か・・もう無理だ・・」
あとは“おっちゃん”とのバトルだった
“おっちゃん”のペースは早い
次から次へと口に入れ飲み込んでいく・・
――(そういえば先日“カレー10杯チャレンジ”に
完食したって言ってたっけ・・)
しかし70個を超えると“おっちゃん”は手が止まった
「こりゃ・・きついぜェ・・」
俺は 最近――食べても食べても腹が一杯にならないし
すぐに腹が減る・・食費が掛かってしょうがない!
軽く“おにぎり寿司”を食べていく・・
「やっぱり・・“はまち”が一番食べやすいぜ!」
“サーモン”はちょっとくどすぎるし・・
“マグロ”は飽きるし・・
“さば”は意外と喉の通りが悪いし・・
“玉子”はボリュームがあり腹が張るし・・
「はまち5貫分!」
「へい!おまち!」
「おいしい♪おいしい♪」
そして“おっちゃん”は1貫1貫食べていたが・・
「まいった・・リタイヤだ!」
結局76個だった・・
「なんだ・・もう駄目なのか!」
85個を完食した俺は
「今からミスド(ミスタードーナッツの略)で
朝までバイトだからもうこのくらいで止めよっと!」
「おめーーえ・・これから朝までバイトかよ!
化け物みたいな奴だな!」
“坂元”が驚嘆の声を挙げた!
「さーーて・・大将!豪華商品は?」
「他のお客様もいますので 本日の12時の閉店まで
分かりません・・今のところお客様が一番なので
権利はありますよ!」
「もうバイトの時間だから・・また後日来ます・・
豪華商品を楽しみにしてまーーす」
「それじゃ・・みんな お先!」
「駅前のミスドだろ・・あとで行くからサービスしろよ!」
“おっちゃん”が悔しそうに言った
「あはよーーございます!」
水商売のように夜でもこのように挨拶する
「それじゃ・・朝9時まで宜しくな!」
ちょっと意地の悪い社員とシフトチェンジした
「任せてください!」
夜中はバイトが2人しかなく・・
ちょっと眠いが気分も楽でいろいろあって楽しい!
「竹之内ちゃん!朝まで宜しく!」
“竹之内”――長野県出身の同じ土木科
成績もよく真面目だが少々大人しくて控えめ
もうすでに地元で就職が内定している
「フロアーは頼みますね!」
自分は接客対応係で竹之内氏がドーナツ調理係だ!
「おう!任しときな!」
≪ピンポーーン ピンポーーン≫
「おっ!お客だ!」
お客がいないときは奥の調理室で一緒にだべっている・・
センサーでお客が来るのが分かるシステムだ!
フロアーに出て・・
「いらしゃいませーー!」
~~~~~
「おいっ!やっとるけ!」
“おっちゃん”が真っ赤な顔でやって来た
「サービスしてくれよおおおお!」
“坂元”もほろ酔い状態だ
「そこの《村さ来》で一杯やったんだけど・・」
“おちん”は冷静だった
「“とこま”は?」
「そこで・・死んでるぜ!」
“とこま”は店内のボックス席でうつ伏せになっていた
「やっぱり・・さっきのは無理しすぎたようだ!」
“おちん”が淡々といった・・
「ドーナツやるから“とこま”を送ってやってくれよ!」
「腹いっぱいだで・・
ドーナツはいらねーー!ジュースくれよ!」
「しょーがねーな!」
奥に行って・・
業務用の2L入りのグレープジュースを袋に入れ
「グレープジュースはあまり出ないから・・
これだけだ!」
「おう!さんきゅー!」
「飲んでるから・・気をつけて運転しろよ!」
「へい!親方!りょうかいでーーす!」
“おっちゃん”達は“とこま”を連れて出て行った・
~~~~~
午後12時を回った・・
“潮”があわてて飛び込んできた
「ちょっと・・かくまってくれっ!」
「どうしたんだ!」
「ちょっとヤーさんとォーーやりあっちまってェーー」
「喧嘩か・・」
「まあァねェーー」
外でどたどたと音がした
「こっち・・こっち・・」
竹之内が奥から手招きした
“潮”が奥へ隠れると
――目つきの悪い連中が4人駆け込んできた
「背の小さい威勢のいい野郎が来なかったか?」
「誰も来ませんでしたけど・・」
「ほんとか!!」
「少し前に向こうへ走っていった奴がいたから・・
もしかして・・そいつかなーー」
「よしそれだ!・・野郎ども・・行くぜ!」
チンピラたちは指差した方向へ走っていった・・
「いっくら“潮”でもあの4人じゃあな・・」
そして奥に入ると・・
「あれ!“潮”は?」
“竹之内”が
「もう裏口から・・別の方向へ逃がしてやったよ!」
「おっ!気が利いてるねーー」
~~~~~
午前2時を回った・・
「さて・・いつものクラブのママ達は今日も来るかな!」
駅前には飲み屋街も多く高級クラブやバーもあった
その“ママ”や“おねーさん”達が
店を終えた後しばしやってきた・・
≪ピンポーーン ピンポーーン≫
フロアーに出ると・・
クラブのおねーさん達が・・
「かわいい“おにーさん”今日はいらしたわねーー」
「いらっしゃいまーーせ!」
“百万ドルの微笑”で応対する・・
――――(そりゃ自我自尊だ!)・・『読者の皆様より』
「それじゃ・・
このドーナツとコーヒー2つ戴けますかしら」
「ドーナツはサービスします!!」
「いつも有り難う」
「一度・・私の店にも遊びに来てちょうだい」
「そー!そー!サービスしますわ!」
「幾ら位するのですか?」
「安くしますわ!」
「本当ですか」
「お名刺渡しますわね」
「待ってるわ!」
おねーさん達は帰っていった
~~~~~
午前7時を過ぎた・・
「さーーあ!気合を入れてえェーー!」
朝7時頃から通勤・通学のお客で一杯になる
そのため・・てんてこ舞の忙しさだ!
「いらっしゃいませーー!」
いつも来る女子高校生だ
「今朝はカッコイイおにーさんがいる!」
「いつも有り難うございます!!」
“百万ドルの微笑”で応対する・・
――――(そりゃ気のせいだって言うのに!)
・・・・・『読者の皆様より』
「私たちおにーさんのファンクラブです!」
「それは光栄だ!!」
その割りにファンレターも何も無かったが・・
「このドーナツ サービスしますね!」
「いつもすみません!」
―――(これが目的かな・・)と一瞬思うか・・
―――(いや純真な女子高校生に向かって失礼だな)
と思い直す・・
「有り難うございました!!」
お客は次から次へとやって来る
途切れることは無い・・
やっと9時になった・・
「交代しますね!」
やっと次の女の子にシフトチェンジした
「やれやれ・・疲れた・・」
そして中に入って廃棄予定のドーナツを山ほど抱え
(注:朝の7時前にいっせいに廃棄して・・
その後は新しいドーナツだけ販売していた)
内緒で業務用のコーヒー豆とオレンジジュースも
図他袋に入れ――
「“竹之内” お疲れさん!!」
朝日がまぶしい中・・バイクで帰宅した
「もうドーナツは飽きたな・・」
とぶつぶつ言いながら朝食を取り
「今日は14:00からコンサートスタッフのバイトか
まだ時間があるから・・それまで一眠りするか」
押入れベッドに入ってカーテンを閉めた
≪ジリジリジリジリ・・・・≫
≪りりりりりりりり・・・・≫
「ちぇっ!もうこんな時間か・・」
2つの目覚ましを止めゆっくりと起き上がる
「ちきしょーまだ・・眠いぜ・・」
コンサートスタッフでおそろいの真っ赤なスタジャン
を羽織ってバイクで出かけた
「おはようございます!」
謎の人物“みきちゃん”が受付で座っていた
“みきちゃん”本名――“須磨美希”
年齢不詳 職業不詳 経歴不詳
ストレートの長い髪と神秘的な切れ長の目が魅力的で
不思議な女性・・バイト仲間の皆の憧れの人!
「おはよーー遅いわよ!」
「“河相”たちは?」
「もう中でミーティングしてるわ!」
「OK!」
市民会館の大ホールに入った
「今日の沢田聖子コンサートは
18時開演で開場は17時だ!」
社員の“水嶋さん”が皆に説明している
「もぎり係りはカメラチェックを十分に行い・・」
(注:場内はカメラ撮影が禁止のため持込禁止だった)
こっそり・・河相の後ろに座った
「ガード係りは十分ガードしてくれよ・・
先日 宇都宮公演でミーハーな客達がステージに登った
何事もなかったが・・
ここでそんなことがあったら減給だぞ!」
“河相”が振り向いて・・
「お主・・遅いぞ!」
“河相”――電気科所属で“とこま”と同じ緑風荘の住人
風貌-上背はないが渋くて憂いのある顔で 皆の相談役的
な役割もこなす・・最初にコンサートスタッフに誘った奴
同じ愛知県出身!――豊橋市だが
「わりぃ!朝までミスドでバイトだったから・・」
「お主も大変だな!」
「機材搬入は30分後だ・・それでは気をつけて頼む!」
“水嶋さん”が声を張り上げて言った
今回のバイトは10名―“河相”“キヨタカ”“可美村”
後は知らない奴だった
“水嶋さん”が近づいてきた・・
「すみません遅くなって!」
「そんなことより今晩 空いてるか?」
“水嶋さん”のサングラスの淵が光った・・
“水嶋さん”――コンサート主催会社
『ミュージック・ギルド』の社員
風貌‐ニヒルでクールな大人
いろいろお世話になっている
“みきちゃん”と付き合っているとの噂もある
「はあ・・空いてますが!」
「それじゃ・・“河相”と“みき”と4人で飯行くぞ!」
たびたび食事を奢ってもらっていた
「りょうかいでーーす!」
―――(らっきぃーー!食費が浮く♪)
~~~~~
搬入が始まった・・
裏の搬入口には両サイドに沢田聖子と書かれた
デカイトラック3台が口を開けていて・・
人が4~5人は入れそうな
真っ黒な大きなスピーカーを運んでいた
「ゆっくりだぞ!これは高けーから落とすなよ!」
沢田事務所の大道具の方達に
バイトの衆がこき使われて働いていた
~~~~~
ホールに入ると照明係がスポットライトを取り付けたり
長い棒で角度を変えたりしていた
その横にて鋼管パイプで大道具の鳶の方達が
レンチを振り回してステージを組み上げている
皆てきぱきと作業を進めている
~~~~~
「さーーて!後は我々でやるから!」
ステージが出来上がったのでバイトの衆は
開場まで休憩となった
“河相”“キヨタカ”“可美村”と
昼飯を食べに行くことになったので・・
ほかのバイト達に
「おめーらも飯にしろよ!」
「ただし・・領収書をもらって来いよ!」
「領収書って何ですか?」
「いいから!店の人にそういいな!」
「ただし・・宛名を『ミュージック・ギルド』にしろよ!」
「はーーい!分かりました!」
――(そーいえば・・
俺も初めは領収証が分からなかったっけ!)
“キヨタカ”が大柄な体を揺らせながら
「何食べようか?」
“キヨタカ”本名――“丘野”電気科で栃木出身
風貌-大柄な体でのんびりした性格
もうすでに地元に内定している
愛車はスカイラインGL
高級マンションに3人で住んでいる
「おれ ステーキセット大盛りで!」
―――(ここの勘定は領収証で落ちるから
高いものにしよう)
ここのファミレスで一番高い一品だった
「おい!そんな高い物 大丈夫か!」
“可美村”が心配そうな顔で言った
“可美村”―――電気科で長野県出身
明るく親切で面倒見もよい
高級マンションに“丘野”と同居している
やはり地元で内定してる
「心配するな!何でもいいぜ!」
“河相”がおそろいの真っ赤なマクレガーの
スタジャンを脱いで言った
~~~~~
食事を終えると会館に戻った
ホールではリハーサルをやっていた
デカイ音とカクテル光線のまばゆい中で
可愛い子ちゃんが歌っていた・・
「あれが・・沢田聖子だな!」
「へーー!なかなか 可愛い子ちゃんだな!」
「俺はこの前デビューした松田聖子の方がいいな・・」
「あの“ぶりっこ聖子”か!」
「あの『おかーさん』と言う泣き顔がよかったぜ!」
「そろそろ受付の準備おねがい!」
“みきちゃん”がホールに顔をだして言った
~~~~~
開場が始まると野郎どもがぞろぞろ入ってきた
“河相”と俺は長いことやっているので
フリーでバイトを仕切る役目だった
“みきちゃん”と3人で受付をやっていた
ニキビ面の若い坊がもぞもぞとやって来て・・
「沢田聖子ちゃんに会いたいんだけど・・」
「今はコンサート前だからちょっと無理です!」
「それじゃ・・これ渡してください・・」
ノートだった・・
「はい!わかりました!」
若い坊は会場に入っていった
「これ!いつ渡すの?」
“みきちゃん”はノートをチェックしていたが・・
「これ・・だめだわ!」
ノートを渡された・・
そこには彼女への思いがぎっしり書かれてあった
「こちらが恥ずかしくなるぜ!」
「それで・・どうするの?」
「もちろん・・廃棄処分よ!」
「ええーー彼の思いは?」
「彼女はこんなもの見てる暇はないし
ペースも乱したくないから・・」
「そんなものか・・」
「さて!始まるわよ!」
我々も中に入った・・一番後ろで立っていた
大観衆の歓声が沸きあがる中で
スポットライトに浮かび上がった少女が
歌っている・・
「いつもながらすごい熱狂だ!」
バイトのスタッフは8人張り付かせている
右のスピーカーの前に一人立っている
左のスピーカーの前に一人立っている
右真ん中あたりの入り口に一人立っている
左真ん中あたりの入り口に一人立っている
右後方の入り口に一人立っている
左後方の入り口に一人立っている
右通路の前よりに一人座っている
左通路の前よりに一人座っている
スピーカーの前は大変だ・・
スピーカーから出る大音響のため
コンサート終了後は耳がおかしくなるぐらいだ!
~~~~~
≪ピカッ≫
前から4~6列目で左から7列~9列あたりで
カメラのフラッシュがたかれた・・
隣で立っていた“河相”が左通路の前よりに座っている
スタッフに手振りで指示した
そのスタッフは慌ててそのあたりに移動するが・・
見つからなかったようだ
しかしその近くで待機していた・・
しばらくすると・・
同じところでまた光った
今度はすばやく見つけてカメラを取り上げる
スタッフはそのお客に半券を渡してこちらにやってくる・・
「ご苦労様!!」
カメラを受け取って労いを掛ける
~~~~~
コンサートも終盤に差し掛かった・・
右後方と左後方の入り口のスタッフ2人を
ステージ前に座らせる・・
右真ん中と左真ん中の入り口のスタッフ2人を
スピーカー前に立たせる・・
これで・・もし群集が流れてきても
スタッフで人壁を作って止めるための布石だ!
我々もステージ近くまで移動する・・
アンコールになった・・
観客がスタンディングオベーション状態になった
会場全体が揺れている~~~
そのとき一人の若者が花束を持ってステージに近づく
ステージ下から花束を聖子ちゃんに渡した・・
歓声が一段と大きくなった
“河相”を見るがまだ『キュー』は出さない
二人三人と向ったとき・・“河相”は合図した・・
スタッフが立ち上がってステージ下に人壁を作る
若者たちはそれ以上進めない
最後の曲が終わった・・
聖子ちゃんは手を振ってソデ下に消えてった
場内が明るくなった
「ありがとうございました・・
これで沢田聖子コンサートは終了しました」
場内放送が始まると・・観客は少しずつ席を離れていく
そして我々は外に出て裏口へ回った
「今日は結構 待ってるなーー!」
これから・・『ニガシ』をしなくてはならない
歓声が上がった・・聖子ちゃんが出てきた
バイトのスタッフが人壁を作る・・
その後ろで聖子ちゃんが車に乗る・・
車の前の若者を押しやって車を逃がす・・
黒塗りの車は去っていった
「お疲れ様!!」
ビールジョッキで乾杯をして
一気に流し込む・・
「“河相”今日のキューのタイミングは良かったぞ!」
“水嶋さん”のサングラスの中の目が
一瞬光ったような気がした
「やっぱり・・一人ぐらいは花束を渡さないと
盛り上がらないしね・・」
“みきちゃん”もうなずいている
「もう3年以上やっていますから・・」
“河相”は謙遜していった
「今日のコンサートは大成功だった
・・君たちのおかげだ!」
“水嶋さん”はタバコに火をつけた
「そして・・沢田聖子コンサートは
東北の主要な都市であと3回予定している!」
テーブルにスケジュール表を置いた
「バイトも何人も集まっている・・」
タバコの灰を灰皿に落とす・・
「しかし・・バイトのチーフがいない・・」
「皆・・未経験者ばかりだ!」
2人の顔を見回して・・
「そこで・・君たちに一緒について来て欲しいんだが・・」
まだ半分しか吸っていなかったラークをもみ消した
「1人だけでもいいのだが・・」
俺は“河相”の方を見た・・“河相”は下を向いていた
「勿論バイト代は3割り増しで・・
ホテル代や飯代はすべて払う!」
“河相”は顔を上げて・・
「悪いんだが・・このスケジュールだと
1週間ここを空けることになる・・」
“河相”はちょっと一息入れて・・
「俺は降りるぜ!」
「女か!」
“水嶋さん”が聞いた
「まあ!いろいろと・・」
“水嶋さん”が今度はこちらを向いた・・
「おまえはどうだ!」
と言い放った
「勿論 わたしも行くわよ!」
と“みきちゃん”が笑顔で言った!
でれーー!と鼻の下が伸びたが・・
そんなことはおくびも出さず
「それなら・・もう少し色を付けてくれませんか!」
おそる~おそる~言ってみた
「よっし!分かった・・何とかしよう!」
――(やった!らっきぃー!)と心は躍ったが
平常な顔で・・
「それでしたら・・こちらも何とかします!」
と答えた
「よっしゃ・・それじゃ頼むぜ!」
“水嶋さん”はラークに火をつけて・・
「それじゃ・・とっときのワインを開けよう!」
「ママ!例のワインを・・」
カウンターの中の女性に言った
「なんか今日は神妙ね!」
そういいながらその女性はワインを開けグラスに注ぐ・・
「それじゃ・・もう一度乾杯だ!」
「乾杯!」
1週間後・・
「やったーーこれで当分・・やって行けるぜ!」
机の上に万札が3枚乗っていた
「綺麗なホテルに泊まって・・
美味しいものも食べたしィーー!」
「残念ながら“みきちゃん”とは何もなかったけど・・」
「でも“水嶋さん”とも何もなかったようだ!
不思議な人たちだ」
「そういえば・・昨日は実験だったな・・
実験は代返が聞かないから欠席になったかな?」
「まあいいや・・何とかなるぜ!!」
「さて・・今日の夜はパチンコ屋の清掃のバイトだ
これは時間が短いけど効率がいいからな!」
「そして・・明日の朝7時から夕方まで
“喫茶プランタン”でウェイターだし・・」
「“喫茶プランタン”は駅前のセイブ前だから
綺麗なセイブガールが来るからな!」
「その夜は朝までミスドか・・寝る時間が無いなあ・・
しょうがない竹之内に頼んで仮眠を取ろっと!」
「その後は・・・etc..etc…..
こうして・・私は留年した・・・・・
PS1 結局“豪華商品”は車用のカークリーナーだった
自分には必要が無かったので
“おっちゃん”に献上した・・
PS2 この物語はドキュメンタリーではなく
作者が勝手に執筆したものです。
よって登場人物や出来事・言動など
事実と相違いたしますのでご了承下さい。
現在のミスタードーナッツの表通りの正面入口
現在のミスタードーナツの裏通りの裏口
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コメント
おはようございます。昨日はお疲れ様でした。今でも踊りに行かれますか?もしクラブ(注・ディスコ)で同窓会をしてくださるなら、喜んで参加させて頂きます!
投稿: ニューハーフA | 2008-08-24 09:56